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よく見えるけど目が疲れる…

「よく見える」  けど  「目が疲れる」

 

なんか矛盾してるように感じますね。

でもこれは矛盾していないんです。

 

では、どうしてこういう症状が出てしまうのか?

 

理由は2つあります。

 

1つは

メガネを使用する目的・用途に対して、度数が合っていない

という場合です。

 

理由を説明する前に、これを分かりやすくするため

目のピントを合わせる仕組みをちょっとだけ説明しますね。

 

正視の人(目がいい人)は、近くのものを見る時に

目の中の筋肉に力を入れて(緊張状態)、

目の中にあるレンズの厚みを変えてピントを合わせています。

 

これを調節と言います。

 

調整

 

この調節する力は6歳くらいをピークに年々弱くなっていきます。

当然この調節する力を必要とすればするほど、

緊張状態が強くなりますので眼精疲労の原因となります。

 

 

では、これを踏まえたうえで、

近視の人の場合で説明します。

 

近視の人は、遠くが見えませんので

メガネを掛けて遠くを見えるようにします。

 

ただし、この「遠くを見えるようにする」というのがミソで

どこまで見えるようにするのか?

が問題になります。

 

「視力」「近くを見るために必要とされる調節力」の関係を

一例として簡単に表すと

 

①視力1.5 = 必要とされる調節力 大 

②視力0.8位 = 必要とされる調節力 中

③視力0.5位 = 必要とされる調節力 小

 

こうなります。

※年齢による調節力は加味してません。

 

 

例えば、家で使用するメガネを作る時に、

視力1.5まで見えるメガネを作った場合。

 

①視力1.5 = 必要とされる調節力 大 

 

に該当します。

 

ここで疑問となるのが、

家の中で視力1.5見える必要があるのか?

ということです。

 

実際には、家の中は数m先が壁になりますので

よっぽど広い家(羨ましいw)でなければ必要ではないでしょう。

 

逆に近くの本や新聞、パソコンを見る場合には

視力1.5だと、目にかなりの緊張状態を強いてしまいますので、

目が疲れやすい状態に置かれることになります。

 

つまり、家の中で使用するなら

 

②視力0.8位 = 必要とされる調節力 中

 

で作ることが、疲れずに快適に過ごすことのできるメガネ

ということになります。

 

逆に視力0.5位でも、家の中では不自由しない、となれば

 

③視力0.5位 = 必要とされる調節力 小

 

が、より疲れにくく、快適なメガネということになります。

 

 

このように、使用目的を明確にして、その使用目的に合わせた

メガネを作ることは、目の疲れを防ぐために、重要となります。

 

 

 

いくつか、よくある悩みとその解決法を挙げます。

 

■1日中パソコンの仕事をしていて目が疲れやすいという方

 ご自身の調節力を加味したうえで、パソコンとの距離に合わせて

 弱め(近視の場合)のパソコン用メガネを作ります。

 

 チラツキや眩しさを感じる方は

 別途ブルーライトカットコートをすると

 より効果的です。→ PCレンズ

 

 このメガネで日常生活において、遠くが見にくい場合は

 日常用のメガネをもう1本作ります。

 

■夜間運転をする人で日常使用しているメガネだと見づらいという方

 度数を完全矯正値(近視の場合)に近づけて、

 夜間運転でも差支えのない視力のメガネを作ります。

 

 日常使用しているメガネは今まで通り使用します。

 ※夜間運転用のメガネを日常使用すると疲れの原因となります。

 

■検品作業で非常に細かな傷などを見る仕事をして目が疲れるという方

 作業距離と対象物の大きさに合わせて、

 度数を調整したメガネを作ります。

 

 

これを読んで気が付いた方もいらっしゃるかと思いますが、

このように、目的に合わせてメガネを作ると、

使い分けというキーワードが出てきます。

 

そして、意外とというか、かなりの方がそう思われているのですが、

メガネ(違う度数)を使い分けするのは目に良くない

と思っていることです。

 

実際にはその逆で、

目の事を考えると目的に合わせて、メガネを使い分け、することが目に優しい

という事も覚えておいてくださいね。

 

 

※お願い

疲れにくいメガネを作るうえで、使用環境の情報は非常に重要です。

使用する目的物まで正確に測ってきてください。

対象物を持参できるなら持参してください。

※楽譜やゴルフボール、地図、タブレットPC、ナビ、

 縫製具も一応用意はしてあります。

 

 

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2つ目の理由。

 

良く見えるけど目が疲れる、という2つ目の理由は、

 

自分の持っている近視以上のメガネを使っている(過矯正)

という場合です。(遠視の場合は未矯正)

 

嘘のような話ですけれど、結構あります。これがびっくり!

 

これも近視の場合で説明しますが、

自分の近視以上の強いメガネを使うとなぜ疲れるか、

というと、次のようになります。

2つの理由

 

ひとつ質問です。

ここに2つのメガネがあって、

視力は両方共1.0見えますが、強いメガネと弱いメガネどちらを選びますか?

(※近視の場合です)

 

ほぼ100%弱いメガネと答えるでしょう。それで正解です!

感覚的にも皆さん分かっているんです。

強いメガネは疲れるんじゃないか、と。

 

でも、実際には、今掛けている自分のメガネが過矯正であるかどうか、

というのは自分では分かりません。

 

なぜなら、多少強くても調節力が強ければ、疲れが出にくいからです。

 

仮に疲れが出たとしても、良く見えているものだから、

メガネのせいだとは思わない、からです。

(ちょっと怖いですね..)

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潜む危険。

それ以上に過矯正の近視のメガネを掛け続けることのリスクがあります。

眼精疲労の他に、近視が進行してしまう可能性がある

ということです。

 

近年大学の研究でこのようなことが指摘されています。

一度近視が進行すると元に戻ることは考えにくいので、

自分の知らないところでそのような環境にさらされていることになってしまうのです。

ちょっと怖い話ですが・・・

 

過矯正だと気付く場合は、眼精疲労での視力チェックや、

目のその他の病気で眼科を受診した際くらいでしょう。

 

 

実際に過矯正メガネを掛けている人に、このお話をすると

ほぼ全員が

「そういえば最初は少し強く感じた。でも慣れると思ってそのまま掛けていた」

と答えます。

 

ご本人は悪くはないのですが、この業界に携わっているものとしては

知らないということは怖いことなんだな...と思ってしまいます。

 

本来進まなくてもよい近視が、過矯正のメガネのせいで

もしかしたら進んでいたかもしれない、と思うからです。

 

みなさんも少しでもこのようなことを感じたら、

相談してください。

自分では分かりませんので

 

 

では、なぜ、このような過矯正のメガネを使う羽目になるのか?

これにはみなさんの認識の問題が関係しています。

詳しくは、こちらをお読みください。 

→ 知らないと失敗する。メガネを買う前に知っておきたいこと。

 

 

おおまかに2つの理由を述べてきましたが、

他にも、目が疲れる原因として、

不同視である場合や乱視の強さと処方の問題位の異常、など

多岐にわたりますので、何かありましたらお気軽にご相談ください。

 

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