安全なコンタクトレンズの 3つの条件とは?
コンタクトレンズは、目に直接触れる異物なので
その危険性はどうしても排除できません。
では、どんなコンタクトレンズが目にとって
より安全なコンタクトレンズなのでしょうか?
それは、
・酸素をより多く通すこと
・清潔であること
・乾燥しにくいこと
なぜ、これらのコンタクトレンズが安全なのかという理由は、
あなたの黒目は呼吸しています
黒目は、涙を通して大気中の酸素を取り入れています。
その黒目に、酸素を通さないコンタクトレンズでフタをしてしまうと
酸素不足によって黒目の細胞が死んでいきます...
厄介なことに、この細胞は2度と増える事はないのです!
そして細胞がどんどん死んでしまうと
失明に至ってしまうこともあります。(怖いです)
つまり、酸素を多く通すレンズは、より安全
ということになるのです。
度の強い人ほど、酸素は重要です。
度の強い方は、メガネレンズと同じように
コンタクトレンズでも厚みが増すので
厚い部分については同じレンズでも酸素を通す量は減ってしまいます。
度の強い方ほど、酸素をたくさん通すレンズを選択することが
より重要になります。
例として、
使い捨てコンタクトのー6.00の度の強い近視の場合での
酸素透過率の分布を見てみましょう。
■ Dk値100のシリコーンレンズの酸素透過率(Dk/t値)MAP
Dk値とは、素材自体がどれだけ酸素を通すかの値です。
Dk/t値とは、Dk値をコンタクトの厚みで割った実際の酸素透過率です。
どうでしょう?
中心部はDk/t値は100位ですが
周辺部に至っては40位まで落ちてしまっています。
度がさらに強いと周辺部はもっと落ちてしまいます。
そして黒目(角膜)を覆う面積も近視の場合は
周辺部の面積の方がはるかに多いので
それだけ目にダメージを負いやすくなります。
このように周辺部では必ず酸素透過率は落ちてしまうので
度の強い方ほどDk値の高いレンズを選択することが重要
ということが分かるかと思います。
使い捨てレンズの場合は
Dk値の高いシリコーンレンズを選ぶ方が良いでしょう。
ちなみに下図は、-6.00での
Dk値140のシリコーンレンズと
Dk値28の従来素材レンズとの比較です。
そのレンズ汚れていませんか?
目からは、日々様々な分泌物が出ています。
また、化粧品などの外部からの汚れもあります。
これらが、コンタクトレンズに付着すると洗浄しても
100%落ちる事はありません。(洋服と一緒です)
この付着物が目に対して、様々な症状を引き起こします。
それが引き金となって重篤な眼病に繋がることもあります。
特にソフトコンタクトレンズは水分を含むため
カビや細菌、アカントアメーバが繁殖しやすい状態にあります。
一度繁殖すると、失明まで至ることもあります。
しかも肉眼では、下図のように汚れが見えることはありません。
結果、自分では確認のしようがないので症状が出てから気が付く
ということになるのです。
「まだ使えるから使ってる」
っていう自己判断はしていませんか?
定期的に眼科で検査を受けてくださいね。
あなたの目のことですので。
つまり、1枚のレンズの使用期間が長いほど
眼病になるリスクは高くなるのです。
1枚のレンズの使用期間が一番短い、
1日の使い捨てが一番清潔ということになりますね。
その日の汚れはその日のうちに捨ててしまえ~ってね(笑)
乾燥をあなどることなかれ
コンタクトレンズを使っている時に一番多い自覚症状は
「乾燥」
ではないでしょうか?
コンタクトレンズはもともと、涙の層の中にあり
黒目とまぶたに直接触れないようになっていて
涙は潤滑剤の役割も果たしています。
乾燥してくるとこの涙の層が徐々に薄くなり
一部分で「まぶたの内側」や「黒目」に摩擦を生じて
キズなどの障害を起こします。
特に黒目のキズは、感染症へのリスクも高めてしまいます。
こちらもお読みください → 目の傷は危険信号!
乾燥してきたと感じたら
涙を補完する人工涙液の点眼をすることが重要ですが、
乾燥に強いコンタクトレンズを選択することも重要です。
カテゴリー別コンタクトレンズの比較
最後に、安全なコンタクトレンズの3つの条件を
ハードコンタクトレンズ
ソフトコンタクトレンズ
使い捨てコンタクトレンズ
シリコン素材の使い捨てコンタクトレンズ
と大きく4種類のカテゴリーで比較しました。
次にもうひとつ、眼障害の発症率でも比較してみます。
眼障害の発症率は、1日の使い捨てが最も少なくなります。
これらのことから総合的にみると
【シリコン素材】の【1日の使い捨てレンズ】が
最も安全なレンズということが分かります。