乾燥に強いコンタクトレンズを知っていますか?
昔に比べ、使い捨てコンタクトレンズを使っている人の割合は
かなり高くなってきています。
その使い捨てコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズなのですが
このソフトコンタクトレンズの特徴は、水分を多く含み、
柔らかく装用感が良いことです。
しかし一方で、乾燥に弱いという弱点もあります。
そして2000年代に新しく登場したレンズが
「シリコーンハイドロゲルレンズ」です。
シリコーンハイドロゲルレンズは乾燥に強い
シリコーンハイドロゲルレンズは従来のソフトコンタクトレンズに比べて
水分を低く抑えられ、かつ、コンタクトレンズの水分が蒸発しにくい
という特徴を持ちます。
従来素材は、水分を低く抑えても、蒸発を抑えることができませんでした。
このようにシリコーン素材は、コンタクトレンズの水分の蒸発が少ないため、
結果として、涙の減少を抑えて
目の潤い感を長くキープすることができるようになったのです。
では、どのくらいの差があるのか、乾燥への強さの実験をしてみました。
従来レンズとシリコーンハイドロゲルレンズを、
それぞれ室内で放置し、どの位乾燥するかを観察。
30分後、従来レンズは水分が蒸発し、小さく縮んでしまいましたが
シリコーンレンズは、やわらかいまま、大きさもあまり変化しませんでした。
さらに、2時間経過すると、
従来素材は完全に乾燥してカチカチになってしまいました。
ところが、シリコーンレンズは、まだやわらかいまま、
大きさもあまり変化してません。
このようにシリコンレンズは乾燥に強いという結果になりました。
酸素を通す量も、3~6倍!
実は、このシリコーンハイドロゲルレンズには
もう1つ重要な大きな特徴があります。
それは、酸素透過性が従来レンズの3~6倍もあることです!
従来レンズは、コンタクトレンズの水分を通して酸素を取り入れていましたが、
シリコーンハイドロゲルレンズは、シリコーン自体が酸素を良く通します。
そのため安全性も向上し、目への負担や、酸素不足による感染症や、
角膜内皮細胞の減少、角膜血管新生、などの発生リスクを
低減させることができます。
脂質汚れとケア用品との相性に注意
これだけ、安全性の高いシリコーンハイドロゲルレンズですが、
他方、その素材に親油性という特性があり
化粧品などの油分や脂質汚れが付きやすいので
化粧品などの取り扱いには注意が必要です。
最近ではコーティングをしたり、脂質が付きにくい素材も開発されたりしていますので
脂質が付きやすい方はこのようなシリコーンハイドロゲルレンズを選ぶ方が良いでしょう。
もうひとつ、ケア用品についても
シリコーンハイドロゲルレンズとMPS(マルチパーパスソリューション)との
相性が悪いことが報告されています。
相性が悪いケア用品でお手入れすると、角膜に傷がついたり、
炎症が起きたりすることがありますので
ケア用品を購入する際にはご相談くださいね。
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